昔々、ファリドという少年がいた。彼はスポーツは抜群に得意で、なにより人を笑わせることが大好きだった。仲間たちを笑顔にし、みんなの心を幸せにすることが彼の喜びだった。けれど、ある日、ファリドが突如として姿を消してしまった。
ファリドの友人であるナビドは、彼のいなくなった理由が気になって仕方がなかった。そんなある日、ナビドは夢の中で不思議な声を聞いた。「ファリドは魔法の国にいる…助けを必要としている…」。その言葉を信じたナビドは、なんとかしてファリドを探し出そうと決意した。次の日、ナビドは冒険の準備を整え、見知らぬ世界への扉を開いた。
ナビドがたどり着いたのは、色とりどりの光が漂う、まるで夢のような「魔法の国」だった。幻想的な風景が広がり、不思議な生き物たちが行き交うその場所で、彼はついにファリドと再会を果たすことができた。しかし喜びも束の間、二人はすぐに重大な事実を知ることになる。彼らが元の世界に戻るためには、この魔法の国を支配する「大魔王モハマド」を倒さなければならないのだという。
モハマドは恐ろしい力を持ち、魔法の国を恐怖で支配していた。ナビドとファリドは共に大魔王を倒すため、修行の日々を過ごした。二人は体力を鍛え、互いに支え合いながら次第に強くなっていった。そして、魔法の国に住む仲間たちも彼らのもとに集まり始めた。炎を操るフィリオ、風を操るサラ、闇を切り裂く剣士カイ…。多くの仲間たちが二人の力となり、大魔王に立ち向かう準備が整っていった。
そしてついに、モハマドとの決戦の日が訪れた。恐ろしい暗黒の城に乗り込んだナビドたちは、数々の悪魔たちと戦い、傷つきながらも進み続けた。しかし、モハマドの力は彼らの予想をはるかに超えていた。二人と仲間たちが束になっても圧倒され、苦戦を強いられる。魔法の炎が飛び交い、稲妻が空を裂く中、ついにナビドが致命的な一撃を受けてしまった。ナビドは血を流しながら、震える手でファリドの方を見つめ、「ファリド…君ならきっと、勝てるよ…」と微笑んだ。そして、「魔法の国と仲間たちを守ってほしい」と言い残し、息を引き取った。
親友の死に激しい怒りと悲しみに駆られたファリドは、これまでにない覚悟でモハマドと向き合った。全身に力を込め、最後の一撃にすべてを賭けることに決めた。ファリドは、亡きナビドの思いを胸に、鉄の玉を投げつけた。その玉は、モハマドの胸を貫き、彼の内なる魂をも引き裂いた。モハマドは激しい叫び声を上げ、闇と共に消え去った。
魔法の国に静寂が戻り、仲間たちはファリドを称賛した。しかし、ファリドには悲しみが残った。ナビドを失った喪失感と、彼とともに戻るはずだった約束が果たされることはなかった。さらに、彼には新たな試練が待ち受けていた。ファリドは魔法の国の「解放者」として称えられたが、モハマドの呪いによって二度と元の世界に戻ることができないという運命に縛られていたのだ。
ファリドは、新たな仲間たちと共に魔法の国での生活を始めることにした。彼はもう悲しみを乗り越え、仲間のために生きることを選んだファリドは、魔法の国で新たな伝説を刻んでいくのだった。
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません
Producer: Yu Darvish
Director: Navid Mohammad